「事業承継」というと、子どもに会社を継がせるものというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、昨今では役員や従業員への承継や、M&Aによる第三者への承継など、その承継方法は多様化しています。
2026年版中小企業白書によると、中小企業経営者の過半数が60歳以上となっており、事業承継は今や多くの企業にとって避けて通れない経営課題となっています。
ここでは、代表的な3つの方法とそのポイントを見ていきましょう。

1.親族内承継
親族内承継は、子どもや親族へ会社を引き継ぐ方法です。
経営理念や企業文化を継承しやすく、従業員や取引先からも理解を得やすいことが特徴です。一方で、後継者の育成や自社株式の承継対策、相続税・贈与税への対応や、他の相続人との遺留分トラブルへの配慮が必要になります。
長期的な視点で計画的に準備を進めることが、理想的な承継の実現につながります。
2.社内承継(役員・従業員への承継)
親族に後継者がいない場合だけでなく、能力や経験を重視して、長年会社を支えてくれた役員や従業員へ事業を引き継ぐケースも増えています。
会社の業務内容や取引先との関係を理解しているため、比較的スムーズな承継が期待できます。また、従業員や取引先に安心感を与えやすい点もメリットです。
ただし、後継者による株式取得資金の確保や、金融機関に対する個人保証(経営者保証)の解除・引き継ぎなど、資金面や法的な面における課題への対応が求められます。
3.第三者承継(M&A)
近年、中小企業においても増加しているのが、M&Aによる第三者承継です。
後継者問題への対応だけでなく、事業拡大や企業価値向上を目指す成長戦略の一つとして選ばれるケースも増えています。
会社を引き継ぎたい企業や個人へ承継することで、事業や雇用を継続できる可能性があり、企業の更なる発展につながることもあります。
一方で、相手先の選定や条件の整理・調整など専門的な対応が必要となるほか、進め方によっては関係者間で認識の違いが生じることもあるため、十分な準備や信頼できる専門家選びが重要となります。
これら3つの方法をまとめると次のとおりとなります。

自社に合った承継方法を選ぶために
事業承継に唯一の正解はありません。親族内承継、社内承継、第三者承継(M&A)のそれぞれにメリットと課題があり、会社の状況や経営者の考え方によって最適な選択肢は異なります。
大切なのは、「誰に引き継ぐか」だけではなく、「会社をどのような未来につなげたいのか」という想いを明確にすることです。事業承継は、会社の過去を受け継ぐだけでなく、未来を描くための経営判断でもあります。
ゆたか税理士法人では、事業承継を単なる手続きや株式の引継ぎではなく、「想いをつなぎ、会社の未来をひらくための取り組み」と考えています。会社の現状分析から承継方法の検討、実行後のフォローまで、一人ひとりの想いに寄り添いながら、大切な会社を未来につなげる支援を行っています。
まずは、「自社にはどのような選択肢があるのか」を知ることから始めてみませんか。自社に合った承継方法を考えることが、大切な会社を未来につなげる第一歩になります。
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