■はじめに:倒産増加が示す「選別の時代」の到来

近年、企業倒産件数が増加しており、2025年度は約1万500件と4年連続で増え、12年ぶりの高水準に達したと報じられています。特徴的なのは、人手不足を主因とする倒産が過去最多を記録したということです。この数字は単なる景気の波ではなく、「会社が選別される時代」に入ったことを強く示しています。

物価上昇、人件費の高騰、採用難……。こうした厳しい経営環境は、すべての会社に平等に訪れています。それにもかかわらず、生き残る会社と、姿を消していく会社がはっきりと分かれているのが現実です。

その違いはどこにあるのでしょうか。

 

■すべては「選ばれているか」で決まる

違いの一つは、「選ばれているかどうか」です。
顧客から選ばれる会社は、多少の値上げがあっても支持され続けます。従業員から選ばれる会社は、人手不足の中でも人が集まり、定着します。さらに、金融機関や取引先から選ばれる会社は、いざという時にも支援や協力を得ることができます。
つまりこれからの時代は、単に商品やサービスを提供するだけでなく、「関わるすべての人から選ばれる会社」であるかどうかが、企業存続の分かれ道になるのです。

 

■会社の運命を分ける「資金余力」という現実

そして、もう一つの決定的な要素が「資金余力」です。

どれほど優れたビジネスモデルを持っていても、資金が尽きれば会社は続きません。これは極めてシンプルですが、非常に本質的な事実です。

反対に、資金に余裕がある会社は、環境変化に対して柔軟に対応することができます。
たとえば、人材への投資。賃上げや教育に踏み切れる企業は、結果として人材から選ばれます。
設備やITへの投資。生産性を高め、競争力を維持・強化することができます。
さらには、新規事業への挑戦や、将来に向けた先行投資。短期的には利益を圧迫する取り組みであっても、資金余力があれば実行できます。

一方で、資金繰りに追われている会社は、どうしても「守りの経営」に陥ります。本来であれば打つべき手があっても、資金の制約によって意思決定が歪み、結果として選ばれにくい会社へと近づいてしまうのです。

さらに重要なのは、資金に余裕があることで「意思決定の質」が変わる点です。
目先の資金繰りに追われる状態では、どうしても短期的な判断に偏ります。しかし、資金に強い会社は違います。顧客満足や企業価値の向上といった、中長期的な視点で経営判断を下すことができます。

この「意思決定の余裕」を持てるかどうかが、最終的に企業の差を大きく広げていきます。

 

■最後に:今すぐ取り組むべきこと

だからこそ今、目指すべきは「資金余力のある会社」です。
利益を出すことに加えて、「いかに資金を残すか」「いかに資金を守るか」という視点を経営に取り入れることが不可欠です。
資金に強い会社は、環境に左右されにくく、選ばれ続ける土台を持っています。
そしてその積み重ねが、結果として持続的な成長へとつながっていきます。

厳しい時代だからこそ、経営の本質が問われています。
今一度、自社の財務と向き合い、「選ばれる会社」であり続けるための土台づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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