社員を一人採用すると、実際にいくらかかるのか?
業務量が増え、今の人数では回らなくなってくる。新しい仕事も増えてきた。この先の成長を考えると、採用を進めるタイミングかもしれないと、多くの経営者が一度は考えることがあるのではないでしょうか。
一方で、採用には大きな不安もあります。
「毎月どれくらい固定費が増えるのか」
「給与以外にどんな費用が発生するのか」
「今の資金繰りで、本当に採用して大丈夫なのか」
採用は単なる人員補充ではありません。会社にとって、大きな“経営判断”です。そんな経営判断を曖昧な状態で進めないために、ゆたか税理士の税務顧問があります。
「給与25万円」だけでは終わらない
例えば、月給25万円の社員を一人採用するとします。経営者の感覚としては、「毎月25万円の人件費が増える」というイメージを持たれることが多いかもしれません。しかし、実際には給与以外にもさまざまな費用が発生します。
まず代表的なのが、社会保険料の会社負担です。従業員の給与から健康保険料や厚生年金保険料が天引きされていることはよく知られていますが、実際には会社側もほぼ同額を負担しています。つまり、月給25万円の社員を採用した場合、会社側では給与に加えて社会保険料の負担が発生することになります。
さらに、雇用保険や労災保険といった労働保険料も必要です。それだけではありません。
- 通勤手当
- 賞与
- 採用媒体への掲載費
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 教育や引継ぎにかかる時間
こうした費用も、少しずつ積み重なっていきます。特に、人材紹介会社を利用した場合には、年収の数十%程度の紹介手数料が発生するケースもあり、採用時にまとまった支出が一気に必要になることもあります。また、見落とされがちなのが「時間のコスト」です。新しく入社した社員がすぐに利益を生み出すとは限りません。教育やフォローのために既存社員の時間が取られ、一時的に全体の生産性が下がることもあります。
もちろん、だから採用をするべきではない、という話ではありません。むしろ、会社が成長していくためには、人材採用が必要になる場面は必ずあります。大切なのは、“思っていたよりお金がかかる”という事実を、なんとなくのイメージだけではなく事前に数字で把握しておくことです。
実際にあったご相談の事例
ある顧問先様から、「正社員1名とパートスタッフ1名を採用する予定が、問題ないだろうか」というご相談をいただきました。社長ご自身としては、売上も順調に推移しており、預金残高にもある程度余裕が出てきているという感覚をお持ちでした。しかし、採用を進めた場合に毎月どの程度の支出が増えるのか、また賞与や社会保険料まで含めると年間でどのくらいの負担になるのかまでは把握されておらず、なんとなく不安な状況でした。
そこで、まず採用予定者の給与や勤務条件を基に、給与だけでなく社会保険料の会社負担分、通勤手当、採用費用などを含めた実際の負担額を試算しました。そのうえで、現在の預金残高や売掛金の回収予定、借入金の返済予定なども踏まえ、今後の資金繰りがどのように推移していくのかを資金繰り表で確認していきました。結果として、なんとなく今の預金があるから大丈夫ではなく、これからの預金残高の推移を含めて採用について自信をもって進める状況作りを行いました。
もちろん、採用をするかどうかを最終的に決めるのは経営者です。しかし、“なんとなく大丈夫そう”で判断するのではなく、“採用後の数字まで見える状態”で判断できることには大きな意味があります。
税務顧問の役割は、「申告をすること」だけではない
税理士というと、「税金の計算をする人」「申告書を作る人」というイメージを持たれることも少なくありません。もちろん、それらも重要な業務です。しかし、実際の経営現場では、経営者は日々さまざまな判断を求められています。
「採用をするか。」「設備投資をするか。」「借入をするか。」「賞与をどこまで出すか。」
そして、その判断には必ず「数字」が関わっています。ただ、経営者が現場を回しながら、将来の資金繰りや利益への影響まで整理して意思決定していくのは簡単なことではありません。だからこそ、税務顧問には「申告業務」だけではない役割があります。
〖経営者が日々直面する迷いや選択に、数字という裏付けを与え、確信をもって次の一手が打てる状態をつくる。〗それが、ゆたか税理士法人の税務顧問の価値です。