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改正「労働安全衛生規則」と職場の熱中症対策

■ はじめに


6月に入りました。今年の夏も全国的に猛暑と高湿度が予想されており、心配なのは
「熱中症」ですね。
職場での熱中症による死傷者は増加傾向にあり、令和6年は1,195人と過去最多。
死亡者も3年連続で30人以上となり、労働災害全体の約4%を占めています。
これを受け、厚生労働省は「労働安全衛生規則」を改正。本年6月1日に施行されました。
(公布は令和7年4月15日)。
今回は、改正のポイントをご紹介します。

■ポイントは、「見つける」・「判断する」・「対処する」!

厚生労働省の調査・分析によると、死亡者の約7割は屋外作業に従事していたケースで、
業種別では建設業、製造業、警備業の順に多く発生しています。こうした災害の多くは、
初期症状の見逃しや対応の遅れが致命的な結果につながっており、主な要因としては
「発見の遅れ」と医療機関などに搬送しないなどの「異常時の対応の不備」に大別されます。
これらの結果を踏まえて、以下の「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」が事業者
に義務付けられます。

①  「熱中症の自覚症状がある作業者」や
「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」が
その旨を報告するための体制整備及び関係作業者への周知


②  熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう
・ 事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等
・ 作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等、熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の
  実施手順の作成及び関係作業者への周知


対象となるのは、「WBGT(湿球黒球温度)28度以上又は気温31度以上の環境下で連続
1時間以上又は1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業です。

上記の対策を怠った場合、個人に対しては6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、
法人に対しても50万円以下の罰金が科される可能性があります。

■具体例
建設業を例にとり、職場での具体的な取り組みの一例をご紹介します。
※あくまでも参考例です。現場の実情に合った内容にしましょう。

① 熱中症の症状がある作業者や疑いがある作業者への「報告体制」と「周知」

•各班に熱中症対応責任者を配置し、体調不良の報告窓口を明確化
•朝礼で報告ルールを毎日確認、現場掲示板にフローを掲示
•体調チェックシートを使用し、症状の早期発見を促進

② 熱中症のおそれがある場合の「対応体制」と「手順の周知」

•緊急連絡網と搬送先情報を全員に配布し、詰所にも掲示
•「作業中止 → 涼しい場所へ → 水分補給・冷却 → 搬送」の対応手順を簡潔に
マニュアル化し、週1で復習
•搬送先の医療機関情報を現場ごとに整理

【補足対策】
• WBGT計で暑さを測定し、指数に応じて休憩の指示
• 飲料・冷却グッズの常備、日陰や送風設備の設置
• 高齢者や新人など、リスクの高い作業者への特別配慮

■ おわりに


いかがでしょうか。熱中症は、適切な予防法を知っていれば、ほとんどの場合防ぐことが
できると言われています。
厚生労働省のホームページには、対応の流れを示したフロー図も掲載されていますの
で、それらも参考にしながら、勤務実態に応じた体制を整えていただければと思います。


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